モンテッソーリ教育の「敏感期」とは? 種類や特徴を一覧表で説明

montessori 相談室(子育ての悩み・発達障害)

GAFAMのうちの4人の創始者、そして藤井聡太プロ棋士が学んだモンテッソーリ教育。

そのモンテッソーリ教育の中でも大切な言葉が「敏感期」

さて、それは一体どんなものなのか?

そして、子育て中のパパやママにはどんなふうに大切なのか?

そこで、モンテッソーリ教育の「敏感期」を一覧表にしてまとめてみました。

※GAFAMとは
Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字をとったもの。

ひろ室長
ひろ室長

この記事を書いている私は、公立小学校の教師や校長を務めてきました。
公立だったので、自分の授業の中では、モンテッソーリ教育を実施することはできなかったのですが、子どもの見方や捉え方を身につけることができ、日頃の教育に大きく役立てることができたなと実感しています。
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モンテッソーリ教育の「敏感期」とは

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「敏感期」とは、もともとは生物学の言葉で、オランダの生物学者ド・フリースが提唱したものです。それは、「生物の幼少期に現れる特定の対象への強い感受性」のことでした。わかりやすいお話なので、後半のコラムに書いておきますね。

さて、この「敏感期」についてド・フリースは、人間の幼少期にも見られるものなのかと、マリア・モンテッソーリに子どもの観察を勧めたのです。

それがきっかけとなり、モンテッソーリは、人間の子どもにもこのような時期があることを発見し、「敏感期」という言葉を人間の教育にも使うようになったのです。

よく例にあげられるのは、赤ちゃんがティッシュを次々に引っ張り出してしまうような場面です。大人にはイタズラにしか見えないようなことにも、子どもにとっては意味のある行動なのです。

このティッシュを出す行動は、「運動の敏感期」からくるもの。3本の指を上手に使って物をつかみ、引き出す運動を習得したくてたまらないのです。けっしてイタズラではないのです。

ティッシュを引き出すときの、力の入れ具合、方向、感触、その全てが子どもの指先や脳を成長させているのです。しかも、何度でも繰り返すことができるのですから、やめられないのは当然。

どうですか?

その姿を見た時に、子どもの運動神経や脳が発達しているのだとしたら、じっと見つめていたくなりませんか?

そんなことを教えてくれるのがこの「敏感期」。

ここで一つ、コラムをお届けします。

<コラム>
 生まれたてのイモ虫の「敏感期」
モンテッソーリに影響を与えた生物学者ド・フリースの発見したイモ虫の「敏感期」のお話です。

あるガの幼虫は、卵からかえると光の刺激を受けて、木の枝を上に上にと登っていくのだそうです。登った先にあるのは、やわらかい木の葉。生まれたての幼虫の弱いアゴでも食べられるような若い葉っぱ。

でも、幼虫が成長してアゴが強くなってくると、光の刺激には反応しなくなるのだそうです。そう、もう硬い葉っぱも食べられるようになったから。

このように、成長のために必要なタイミングで必要な刺激に反応する時期のことを「敏感期」と名付けたのです。

人間の子どもにも、成長のために必要な刺激を受け取ろうとする、限られたタイミングがあるのですね。


モンテッソーリ教育の「敏感期」の種類や特徴を一覧表で説明

モンテッソーリ「敏感期」一覧表

まずは、モンテッソーリ教育で扱う「敏感期」の種類とその時期や特徴を一覧表にまとめてみました


敏感期の始まりや終わりの時期は、一応の目安であって、子どもの特性や、環境などによっても変わってきます。

でも、このくらいの時期に、こんな行動を示すものだと、パパやママが知っているだけでも、子育てにおいてとってもプラスになることだと思います。

言語の敏感期

◆話し言葉

胎児期〜3歳前後
母国語の習得の大切な時期

<ワンポイント解説>
胎児期からとあるように、赤ちゃんはママのお腹の中で声を聞きながら成長していきます。3歳になるまでには母国語の基本をほぼ習得するともいわれていて、聞くことや話すことが楽しくで仕方ない時期です。まだしゃべれない時期でも、きちんとした発音で話しかけてあげることが大切です。

◆文字(書くこと・読むこと)

3歳半〜6歳 
文字を書くことそもの、文字を読んで理解すること

<ワンポイント解説>
指先を動かす運動の敏感期とも重なり、自分で書いてみたいという気持ちが高まる時期です。絵を描くこと、文字を書くこと、どちらも思いっきり集中させてあげたい時期ですね。モンテッソーリ教具の砂文字板などは、こうした敏感期に合わせて文字を学ぶための教具です。

運動の敏感期

0歳〜3歳 
生活に必要な基本的な動きを獲得する時期

<ワンポイント解説>
自分で思ったように手や指を動かしたり、体全体を動かしたりすることに大きな喜びを感じる時期です。この時期は、危険のない範囲で自由に体や指先を動かすことに集中させてあげることが大切です。

3歳〜6歳 
獲得した基本の動きをさらに自分なりに調整、洗練させていく

<ワンポイント解説>
3歳くらいからは、より難しい動きに挑戦していく時期です。指先を使った作業も、かなり細かいことができるようになってくるので、調理などにも挑戦させてあげることもいいでしょう。幼稚園でも調理実習を取り入れているところもありますね。

感覚の敏感期

0歳〜3歳 
五感を働かせて、イメージを無意識的にとにかく吸収

<ワンポイント解説>
見たもの、聞いた音、嗅いだ匂い、感じた味、触った感触など、五感からのイメージの全てをとにかく溜め込む時期です。この時期の五感への刺激は、その後の子どもの創造性にも影響してくるので、できるだけ、豊かな感覚の経験をさせてあげたいものです。

3歳〜6歳 
蓄えてきたイメージを整理して五感をさらに洗練させていく

<ワンポイント解説>
生まれてからひらすら溜め込んできたたくさんの感覚の情報を、分類し、整理していく時期になります。

そこで登場するのが「教具」です。モンテッソーリの教具は、分類、秩序、整理などの作業に特化した特別なものです。しっかりとした目的のために作られているところが、普通のおもちゃとは違うところなのですね。おうちでそろえられそうな教具について別の記事でまとめてみました。

秩序の敏感期

0歳〜4歳 
順序・場所・所有・習慣などへのこだわり 
「いつもと同じ」にこだわる

<ワンポイント解説>
この時期の子どもにとって、いつもと違うことは不安の原因にもなってしまうのです。逆に秩序を大切にすることで、子どもは安心し、落ち着くことができます

また、この時期に秩序についての教具をうまく活用することで、理論的な思考の基礎を育むこともできるのでぜひ生かしてあげたいこだわりですね。

小さいもへの敏感期

2歳〜3歳 
大人が見過ごすような小な物事へのこだわり

ワンポイント解説>
大人の視界には入らないような小さなもの、例えば葉っぱの裏についている小さな虫の卵、床の隅に落ちている小さなビーズ、服についている小さな毛玉、そんな小さなものをじっと見つめ、強く興味を持っている様子を見かけることもあるでしょう。どれも大人にとっては、大きな意味のないものへの興味を示す時期があるのですね。

数の敏感期

4歳〜6歳 
身の回りにある数に関することに興味を持つ。数えることへの強い興味

<ワンポイント解説>
秩序の敏感期の次の段階として、数を数えたり、数字を読んだりすることに強い関心を見せ始める時期があります。このような関心に応えてあげることで、子どもたちの数への興味が満たされ、さらには抽象的で理論的な思考の発達へとつながっていきます

モンテソーリ教育では、「算数棒」や「色ビーズ」など、数の敏感期に合わせた教具も多く工夫されています。

礼儀と作法の敏感期

4歳半~
家族や友達とのあいさつなどへの興味

<ワンポイント解説>
社会の一員として過ごしていくための礼儀などを吸収していく敏感期です。この時期に身につけた礼儀やマナーは、その後の子どもの人生にとても大切なものなので、しっかりと身につけさせてあげたいものです。

文化の敏感期

6歳〜
植物、動物、宇宙、歴史、地理などに対する興味

<ワンポイント解説>
大人が使う「文化」という言葉のイメージとは多少異なるのですが、モンテッソーリ教育では、植物や動物、宇宙、歴史、地理などの分野を総称して「文化」と呼んでいます。

こうした事柄への興味関心を強く持ち始める時期なのですね。子どもが百科事典を離さず持ち歩いたりするのも、この文化の敏感期の現れです。

パパやママが「敏感期」を知ることの4つのメリット

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「敏感期」は生物が成長していくために必要不可欠な時期。

子育て中のパパやママが、子どもの「敏感期」を知ることにはとっても大きなメリットがあります。

ここでは4つほどお伝えしますね。

①成長しようとする力を最大限に生かせる
②集中力をつけられる
③自立心をつけられる
④子育てのイライラが軽くなる

①成長しようとする力を最大限に生かせる

敏感期は、特定の刺激に対して自分から関わろうという時期です。ですから、このタイミングを生かすことで、子どもの自己成長力を最大限に生かすことができるのです。

②集中力をつけられる

自分の中から湧き出てくる「やりたい」という衝動が元にあるので、その作業には当然集中して取り組むことになります。そうした行動を繰り返していくのですから、自然と子どもの集中力を伸ばしていくことにつながるのですね。

③自立心をつけられる

モンテッソーリ幼稚園などでは、子どもの敏感期を最大限に生かせるような環境が整えられています。その環境とは、教室の環境だったり、揃った教具だったり、きちんとした教育を受けた先生方であったり。

そうした整った環境で、自主的な行動を積み重ねていくため、子どもたちは自立した行動を取れるように育っていくのですね。

④子育てのイライラが軽くなる

記事のはじめに示したように、ティッシュを次々に引っ張り出してしまう子どもの行動に対しても、「敏感期」のことを知っているのと知らないのとでは、パパやママの感じ方も変わってくるのではないでしょうか。

大人からみてイタズラに見えるような子どもの行動にも、意味があることを知ることで、パパやママのイライラの度合いも変わってきます。

じゃあどうする?「敏感期」のまとめ

モンテッソーリ教育で使われている「敏感期」について一覧表にまとめてみました。

「敏感期」という言葉は、一般には聞き慣れない言葉かもしれませんね。

でも、その意味を知った上で、子どもたちの行動を観察すると、きっと今までとは違った景色が見えるはずです。

どんな教育方法を取り入れるにしても、この「敏感期」という言葉を心に持っていることは、子育て中のパパやママにとって、とても大きな財産になることは間違いないと思います。

参考
日本モンテッソーリ協会(JAM)
国際モンテッソーリ協会(AMI)
『モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す!』藤崎達宏 三笠書房(amazon)
『お母さんの「敏感期」』相良敦子 文集文庫(amazon)
『子どもから始まる新しい教育』マリア・モンテッソーリ 風鳴舎(amazon)

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