子供がなかなか勉強をやる気にならなくて困っているんです。
何かいい方法はないかしら?
子供がなかなか勉強をやる気にならなくて困っている、という話はよく耳にしますよね。
じゃあどうする?
というわけで、今回は「子供のやる気スイッチ」の押し方について、具体的な方法を解説します。
この記事でわかること
・子供のやる気スイッチのタイプ
・タイプ別のスイッチの入れ方のコツ
・具体的なスイッチの入れ方
子供のやる気スイッチって一体どんなものなの?
そもそも、子供ってどうして勉強をするのでしょう?
そこには必ず動機があります。
その動機を刺激してあげることがスイッチを入れるということなのです。
でも、その動機っていくつもあって、子供によってタイプも違うものです。
そこで、まずはそのタイプについてご説明します。
お子さんがどんなタイプの傾向をもっているのか、見極めてみてくださいね。
▶︎ 学習の動機のタイプ分け
今回の分類は、東京大学教授で教育心理学の専門家である市川伸一先生の『学ぶ意欲の心理学』という本を参考にしています。
市川先生は、学習する理由、学習動機を「学習動機の二要因モデル」という形で、下の図のように6つのパターンに分類しました。
図の縦軸が「学習内容の重要性」で、学習内容そのものを重視しているかどうかを表しています。
また、横軸は「学習の功利性」で、学習による直接的な報酬をどの程度期待しているかを表しています。
例えば右上の③実用志向は、学習内容と功利性の両方を重視しているということです。
また、右下の④関係志向については、学習内容も学習の功利性も重要ではなく、自分のまわりの他者からの影響が大きいということになります。
それでは、それぞれの学習動機の志向について説明します。
お子さんはどんなタイプの志向をもっているのでしょう?
①充実志向「学習自体が楽しい」
勉強することそのものが楽しくてやっているタイプの子供たちです。勉強すること自体に充実感を感じていて、勉強をすると得をするなどという感覚はありません。
②訓練志向「知力を鍛えるため」
自分の学力を鍛えることに興味を持っているタイプです。やると頭がよくなるような課題にこそやる気が湧いてきます。
③実用志向「仕事や生活に生かす」
勉強は自分の将来の仕事や生活に大切だからやるんだ、というタイプです。現実的な考え方を持った子供にみられる動機ですね。勉強をすれば生活や仕事が豊かになるという考え方なので、横軸の「功利性」は強いことになります。
④関係志向「他者につられて」
「みんながやっているから」などと、周囲に影響を受けながら勉強に向かうタイプです。環境に左右されるので、どんな仲間と過ごしているかが大切になります。
⑤自尊志向「プライドや競争心から」
プライドや競争心が強いので、「人に負けたくない」「いい点数をとって優越感を味わいたい」などという動機で動くタイプです。ライバルの存在は大きなプラスになりますね。
⑥報酬志向「報酬を得る手段として」
外部からの報酬が動機となって学習に向かうタイプです。「成績が上がったらお小遣いがアップする」などという理由で勉強をします。逆に報酬がないとやる気までなくなってしまう傾向にあります。
タイプ別の動機付けと具体的な「やる気スイッチ」とは
勉強に向かう動機について分類したところで、それぞれのタイプに向いている動機付けと、具体的な「やる気スイッチ」についてご紹介します。
具体的な「やるきスイッチ」については、私が29年間の教師生活と父親生活の中で実践してきたものばかりです。
①充実志向
▶︎動機付け
・生活の中にしっかりと勉強時間を確保してあげる。
・子供の興味を刺激しそうな本や話題を日頃から取り上げる。
<家族でMy本棚>
1つの本棚をパパのコーナー、ママのコーナー、子供のコーナーと区切り、それぞれの好きな本を並べます。そして、お互いのコーナーの本も自由に読んでいいことにします。
そうすることで、子どもの興味が広がり、父親や母親の思考や嗜好に触れることができ、言葉とは違ったコミュニケーションが期待できます。
勿論、パパやママのコーナーに並べる本は、「子どもにも触れて欲しい」という願いを込めることも大切です。ときには、子供のコーナーに新しい本を買って置いてあげるのもいいですね。
<プレゼントはいつも本>
全てでなくていいのですが、年に何回かは子供に本をプレゼントする習慣があると、子供の読書の習慣作りにつながったり、知的好奇心を刺激することにもつながって効果があります。
②訓練志向
▶︎動機付け
・ レベルアップしていく課題(ドリルなど)を用意してあげる。
・能力が向上している様子をグラフなどで数値化・視覚化してあげる。
<できたよノート>
この「できたよノート」には、子供が新しくできるようになったことを記録していきます。記録を継続していくことで、子供自身が自分の成長を感じることができるので、訓練志向の子供には効果があります。
また、小なことでも記録していくことで、気づきにくい成長を実感することができます。
<レベルアップドリル>
この「レベルアップドリル」は、市販のもので十分です。段階的にレベルアップしていき、そのレベルごとに冊子になっているようなものが適当です。
一冊終えるごとにレベルアップを感じられると、訓練志向の子供には大きな励みになります。
習い事で級や段が上がっていくイメージですね。
③実用志向
▶︎動機付け
・子供が学んでいる内容と、普段の生活の中のことがらを結びつけてあげる。
・学習したことがらをアウトプットする場を設定してあげる。
・何かの役に立つ、誰かの役に立つという感覚を味わわせてあげる。
<スーパーは学びの場>
「150gで210円のソーセージと100gで150円のソーセージは、どちらがお買い得か?」などは典型的な算数の問題。
商品のパッケージに書かれた文字は、国語の問題。
商品の並べ方の工夫は社会科の問題。
などなど、スーパー1軒の中に問題は無限。学校の勉強を実際の生活に結びつけることは、実用志向の子供には一番の刺激になります。
<ママに教えて>
学校で習ってきたことを、家でママに教えてあげるという行為は、子供にとっては最高のアウトプットの場になります。
学習したことを溜め込むだけでなく、アウトプットの場をつくってあげることで、何かの役に立つ、誰かの役に立つという経験ができて、とても効果があります。
④関係志向
▶︎動機付け
・環境に左右されるので、頑張って勉強している仲間と一緒に勉強させる。(塾に通うと伸びやすいタイプでもある)
・家で友達と過ごす時間をできる範囲でコントロールしてあげる。
<親子で勉強タイム>
関係志向強い子供は、周りの環境に左右されるため、パパやママ、兄弟が勉強をしていると、その姿をみて自分も勉強しなくてはとがんばります。
<友達と宿題タイム>
友達を家に呼んだり、友達の家に行ったりして一緒に遊ぶときには、最初にほんの10分でも一緒に宿題をやる時間を作ります。
そうすることで、1人ではなかなかやる気にならない宿題でも、少しモチベーションが上がるものです。
⑤自尊志向
▶︎動機付け
・学校でのライバルの存在を家族で共有して適度に意識させる。
・塾などに通っている場合は、試験の順位などを話題にする。
※過度に意識させることは逆効果になることもあるのでほどほどに。
<友達と宿題タイム>
自尊志向の子供にとっては、ライバルの存在は貴重です。
もし、遊び仲間に勉強のライバル的な友達がいるのなら、遊ぶ前に短い時間でも一緒に宿題をやる時間を作れるといいですね。
お互いに刺激し合って、充実した時間を過ごせるでしょう。
⑥報酬志向
▶︎動機付け
・金銭的、物的な報酬を示すことで、学習への意欲をかき立てる。
・子供が小さいうちは、親からの賞賛も精神的な報酬として効果がある。
<ポイントカード>
ポイントカードの場合、ゲーム的な要素にひかれることが多いのですが、報酬志向の子供にとっとは報酬として受け止め、スイッチが入ります。
<成績アップでお小遣いアップ!>
ストレートな方法ですが、報酬志向の強い子供にはこれが一番。ゲーム機やゲームソフトなどの報酬を用意して勉強の励みにするというのもよくある方法ですね。
でも、ほどほどに。
こどもちゃれんじでさらにやる気アップ!
この記事では、子どものタイプ別にやる気アップの方法についてまとめてみましたが、ここでは子どものやる気をアップさせる市販の教材についてご紹介したいと思います。
それはBenesseの「こどもちゃれんじ」です。
実は我が家でも娘が小さいころにお世話になっていたのですが、教材のコスパがとてもよく、子どもも興味を持って取り組んでいました。
今回は現役子育て中の すみさんが、無料体験セットやプレゼントの完全ガイドとして書いている記事があるので、ご紹介します。
>>【完全ガイド】こどもちゃれんじお試しでもらえる無料体験セットとプレゼント(スミッコブログ)
この記事では、各年齢別に無料でもらえる教材とプレゼントについて、詳しく解説してくれています。
また、すみさんが実際にこどもチャレンジに加入したときの、無料体験セットやプレゼントについての口コミもあるので、安心してお試しできますね!
こうした、教材を上手に活用しながら、子どものやる気を引き出していくのも大切なこと!
じゃあどうする? まとめ
今回は子供の学習動機の志向について見極めたうえで、その子に合った「やる気スイッチ」をご紹介しました。
もちろん、子供のタイプは1人に対して1つと決まっているわけではありません。
でも、ある程度のタイプを知っておくと、パパやママそして子供たちがお互いに気持ちよく過ごすきっかけになることは確かです。
また、ここでご紹介した「やる気スイッチ」はやり方を工夫することで、いろんなタイプの子供に効果があります。
この記事をきっかけに、子供のタイプを見つめ直し、楽しく勉強に取り組めるような環境が整うことを祈っています。
<参考>
・書籍『学ぶ意欲の心理学』市川伸一 PHP新書
・書籍『学習意欲の理論』鹿毛雅治 金子書房
・論文『学習動機づけ研究の動向と展望』鹿毛雅治(慶應義塾大学)
・論文『小学生の家族関係および友人関係における自尊感情と全体的自尊感情との関連』 加藤佳子、西敦子 (九州女子大学家政学部、山口大学教育学部)
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