2021年最新刊『あんなにあんなに』ヨシタケシンスケ著の【感想・あらすじ】泣ける・・

あんなにあんなに 図書室(書評など)

近所のTSUTAYAで購入した後、駐車場に停めたの車の中でつい読み切ってしまいました。そして、しばらくはボーッとしながら、自分の歩んできた人生と向き合うはめに。

この絵本を読んだ子どもたちはきっと「大笑い」
子育て中のパパやママたちは「あるある!」と
そして、子育てを終えた世代には「ジーン・・・」

手に取った読者の世代によって感じ方が全く違う絵本です。

でも、最後はヨシタケさんの微妙に素敵なイラストにほっこりするのでした。

ヨシタケシンスケさん『あんなにあんなに』あらすじ

必死に駄々をこねて買ってもらったおもちゃも、あっという間に飽きてしまう。

そんな場面からスタート。

全く同じ経験をしたパパやママも多いことでしょうね。

もちろん私も、子どもとしてやらかし、親として味わってきました。

子どもの気持ちの変わりやすさは天下一品。

そんな場面がいくつか続きます。

そして時は流れ、男の子はお兄ちゃんに!

反抗期あり、受験期あり、でも親子で乗り越え、やがてお兄ちゃんは実家を離れるのでした。

実家を離れると連絡をしないのは男の子の常。

時は流れ、パパになった息子はやっと母の元に。

そんな時間の流れを家族で味わいながら、ときに大笑い、ときにほっこり。

でも、最後は・・・この一冊の絵本の中に、家族の歴史がギュッと詰まっています。

必ず、共感してしまう場面に出会います。

ヨシタケシンスケさん『あんなにあんなに』感想

幼少期のあるあるはなんでだろう?

一度欲しいと思うと、どんなことをしても買ってもらわないと気が済まないのは子どもの特性。

自分にも経験があるし、今思っても、どうしてあんなに欲しがったんだろうと不思議に思うことも。

きっと、自分の感情をうまくコントロールできなかったんだろうなと、このヨシタケシンスケさんのイラストをみながら自分を重ねつつ思うのでした。

自分と向き合う反抗期

外で友達と走り回っていた幼少期から、ちょっと成長すると迎える反抗期。

自分の中に自分が芽生え、もんもんとしながら成長していく時期なんですよね。

こんな時期にありがちな姿には、とっても共感してしまいます。

男の子を育てているママにとっては、毎日「なんで?」「どうして?」の連続なのかもしれませんね。

「なんで?」って聞かれても「うるせぇな」としか答えられない不器用さを理解してあげてほしい。

パパになった息子とおばあちゃんになったママ

若かったママもおばあちゃんになり、大切そうに孫を抱いている姿。

一人の孫の誕生が、青年をパパにし、母親をおばあさんにしてしまう。

若さを失うことは寂しいけど、新たな幸せの誕生を感じる瞬間でした。

でもホッとするのは、パパとおばあちゃんの関係が20年前と変わらずにいること。

家族の歴史を、『あんなにあんなに』という言葉で切り取った素敵な絵本だと思います。

ヨシタケシンスケさん『あんなにあんなに』を読んでほしい人

この絵本の対象は、ポプラ社のホームページをみると、「5歳からシニア」と書いてあります。

その言葉のとおり、どの世代にもそれぞれの感じ方があり、伝わるものがあります。

でもあえて、その中でこの世代!というのなら、やはり子育て世代かなと思います。

特に、子育てに苦労しているママには読んで欲しい一冊です。

今の苦労がこの先、自分の中でどんなふうになっていくのか。

そんなイメージを感じられたら、今の子育ての苦労が、ほんの少し軽くなるような気がします。

ヨシタケシンスケさん『あんなにあんなに』本の概要

書名:『あんなにあんなに』
著者名:ヨシタケシンスケ
発行所:株式会社ポプラ社
発行日:2021年6月15日

ヨシタケシンスケさん『あんなにあんなに』作者紹介

著者:ヨシタケシンスケさんの紹介です

1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。日常のさりげない一コマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど多岐にわたり作品を発表。絵本デビュー作『りんごかもしれない』で第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化章美術章、第8回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を、『もうぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞。『つまんないつまんない』で2019年ニューヨーク・タイムズ最優秀賞絵本賞に選出。近著に『あるかしら書店』『もしものせかい』などがある。2児の父。

引用元:『あんなにあんなに』ヨシタケシンスケ著

じゃあどうする? まとめ

ただ笑える、そんな絵本ではありません。
悲しくなる、そんな絵本でもありません。

誰もがとおる成長の過程を、ユーモアといつもながらのイラストで、限られたページの中にギュッと詰め込んだ作品です。

育児につまづいた時、歳をとったなぁと感じた時、本棚からこの本を取り出したくなります。

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