禅マインド ビギナーズ・マインドの書評と要約を知りたいな
こんな方にお届けします。
『禅マインド ビギナーズ・マインド』はスティーブ・ジョブズの愛読書。
著者の鈴木俊隆師が、アメリカでおこなった法話をまとめた本です。
実際に坐禅を試しながら読むと、さらに深く読むことができるので、おすすめです。
それでは早速、はじめましょう!
禅マインド ビギナーズ・マインドの基本情報
禅マインド ビギナーズ・マインドの基本情報について見ていきます。
書名:禅マインド ビギナーズ・マインド
著者:鈴木俊隆
訳者:松永太郎
出版月:2012年7月1日
出版社:株式会社サンガ定価:本体943円 税込
著者の鈴木俊隆氏のプロフィールは、こちらです。
鈴木 俊隆(すずき しゅんりゅう)
1904年生まれ、1971年逝去。神奈川県平塚市の曹洞宗松岩寺に生まれる。12歳で静岡県周智郡森町の蔵雲院の玉潤祖温老師に弟子入り、駒沢大学在学中に蔵雲院住職、1936年に静岡県焼津市の林叟院の住職となる。1959年渡米し、サンフランシスコ桑港寺住職となる。1962年サンフランシスコ禅センターを設立。1967年カリフォルニア州タサハラにアジア以外では初最の禅院である禅心寺を開く。
1971年に68歳で禅センターにて逝去。渡米12年の間にアメリカにおける禅の基礎を築いた。欧米では20世紀を代表する精神的指導者の一人とされる。
禅マインド ビギナーズ・マインドより
本書は以下の3部から構成されています。
第1部 正しい修行
第2部 正しい態度
第3部 正しい理解
初めて禅の修行に触れるアメリカ人に向けて、禅の真髄や悟りの世界を語った、鈴木俊隆師の法話集です。
禅マインド ビギナーズ・マインドの要約まとめ
本書を以下の3点に要約しました。
要約① 修行
要約② 空(くう)
要約③ マインドフルネス
ひとつずつ解説していきます。
要約① 修行
私たちの目的は、この修行を永遠に続ける、ということです。この修行は、始まりのない時間の中で始まり、終わりのない未来へと続きます。厳密にいえば、人間にとっては、その修行以外の修行はありません。生きる道にこれ以上の道はありません。禅の修行とは、私たちの本物の姿<本性>の、直接の表現なのです。
『禅マインド ビギナーズ・マインド』P118より
自分が何かをしていると意識している限り、実際には何もしていない。
ということです。
また、さらに何かを手放したとき、何も望まないときにこそ何かをしている。
ということになるのです。
坐禅とは、何かのために何かをしているのではない。
悟りの経験のない人にとっては、悟りとは何か素晴らしいものでも、悟りを得た人にとっては、もう何も特別なものではなくなってしまうということです。
要約② 空(くう)
知識を貯めこむべきではありません。知識から自由になるべきなのです。もしいろいろな知識のかけらを集めれば、それはすばらしい収集にはなるでしょうが、しかしそれは私たちの道ではありません。私たちは、なにかすばらしい宝物で、人を驚かせるべきではありません。もしなにかを完全に受け入れたければ、自分を忘れることです。真の闇の夜に閃く雷光のように、受け入れるのです。
『禅マインド ビギナーズ・マインド』P171より
筆者は、空(くう)の状態を理解した人たちは、いつも、ものごとをありのままに受け入れる可能性に開かれているといいます。
たとえ困難なことでも、こうした人は、つねに問題自体を消滅させてしまうことができるということです
要約③ マインドフルネス
私たちの心は、ものごとをなんの難しさもなく、ありのままに受け入れなければなりません。ありのままに理解できるように、柔らかく開かれていなければならないのです。私たちの思考が柔らかいとき、それを不動の思考と呼びます。このような思考はいつも安定しています。それをマインドフルネスと呼びます。
『禅マインド ビギナーズ・マインド』P235より
現代、マインとフルネスというと、1979年にマサチューセッツ工科大学分子生物学者のジョン・カパット・ジンがストレス低減法として体系化したものをイメージすることも多いかもしれません。
しかし、本来マインドフルネスは本書にでてくるような仏教的な瞑想に由来するものです。
禅マインド ビギナーズ・マインドの書評
続いて、私自身の『禅マインド ビギナーズ・マインド』の書評をご紹介します。
書評① スティーブ・ジョブズを虜にした禅マインド
書評② 坐禅を組むことで、ストレスが和らぐ
書評③ 現代の「マインドフルネス瞑想」の基礎
それぞれについて、少し詳しくお話していきます。
書評① スティーブ・ジョブズを虜にした禅マインド
本書は、「スティーブ・ジョブズが、青春時代にむさぼり読んだ、禅のバイブル」と呼ばれています。
スティーブ・ジョブズは、製品の外装だけでなく、内部のマザーボードにまで魅力的な配置にしたいと考え、技術者と衝突することもありました。
製品の本質を重視する彼の精神は、まさに禅の教えに通じるところがあるのです。
著者の鈴木師が、アメリカの禅センターに呼び寄せた乙川師のもとに、ジョブズは毎日のように通ったといわれています。
アップル社を飛び出したあと、ジョブズは乙川師を自社の「宗教顧問」として招き、心の支えとしたほどです。
今、私たちがiPhone を手にすることができるのは、乙川師、そして禅があってのことなのですね。
本書は、ジョブズを虜にした、その禅マインドに触れることができる1冊です。
書評② 坐禅を組むことでストレスが和らぐ
空(くう)の状態を理解した人は、困難な問題であってもつねに問題自体を消滅させてしまうことができるということでした。
どうでしょう、困難な問題自体を消滅さてしまう、空(くう)という状態。
坐禅をとおして、自分の外側に何かを求めずに、自分自身の精神を養うことで、この空(くう)の状態を理解する道につながるのです。
問題自体が消滅してしまうのですから、困難な問題から受けるストレスが低減することも納得できます。
書評③ 医療としての「マインドフルネス瞑想」の基礎
マインドフルネスストレス低減法は、マサチューセッツ工科大学のジョン・カパット・ジンが体系化したものです。
そして、このストレス低減法の基本理念は、本書の著者である鈴木師の所属する曹洞宗によるものです。
私たちが現代のマインドフルネス瞑想をおこなうとき、本書がその効果を倍増してくれることは、必然と言えるでしょう。
禅マインド ビギナーズ・マインドを読んでほしい人
禅のバイブルと呼ばれ、世界24ヶ国以上で翻訳されている本書を読んでほしいのは次のような人たちです。
その① 禅の本質について、わかりやすく知りたい人
その② すでにマインドフルネス瞑想を始めていて、さらに深めたい人
その① 禅の本質について、わかりやすく知りたい人
本書は、禅の初心者、しかも仏教との関わりの浅いアメリカ人に対して書かれた本です。
姿勢や呼吸などの作法から始まり、禅の真髄、つねに空であること、ブッダの悟りまで、36の講話をもとにわかりやすく書かれています。
その講話をじっくりと読み、禅の本質を味わってほしいと思います。
その② すでにマインドフルネス瞑想を始めていて、さらに深めたい人
ブームにまでなった、マインドフルネス瞑想を実践している人は多いことでしょう。
そうした人の中には、
そもそも瞑想ってなんだろう?
マインドフルネスってなんだろう?
禅ってなんだろう?
と、さらに深めたい人もいるはず。
本書は、まさにそんな方におすすめの一冊です。
禅マインド ビギナーズ・マインドを読んでほしい理由
『禅マインド ビギナーズ・マインド』の魅力の一部は伝わったかとは思いますが、最後に本書をたくさんの人に読んでほしい理由をお伝えします。
その① 初心者に向けた、禅のエッセンスが詰まった一冊だから
その② マインドフルネス瞑想は、ストレスフルな現代人を救うから
その① 初心者に向けた、禅のエッセンスが詰まった一冊だから
禅の修行のポイント、禅の基本的な姿勢、禅に基づく生活術、禅に対する姿勢など、禅のエッセンスが詰まった一冊!
本書を読み、禅マインドを身につければ、物事をありのままに捉え、自分自身の真の姿に目覚めることができるのではないでしょうか。
その② マインドフルネス瞑想は、ストレスフルな現代人を救うから
マインドフルネス瞑想は、ストレス軽減に効果的であることが科学的にも明らかにされています。
さらに、集中力の向上や生産性の向上、他者への思いやりの向上などの効果があります。
AppleやGoogle、Facebook、Intelといったグローバル企業で導入されていることも有名です。
先の読めない混迷した社会を生き抜いていくためには、自らストレス軽減できる力を身につけることはとても重要ではないでしょうか。
じゃあどうする? まとめ
今回は、『禅マインド ビギナーズ・マインド』について書評と要約をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
言葉の通じないアメリカに渡ってまで、禅を広めようとした鈴木師の思いの詰まった本です。
ストレスの多い時代に暮らす私たちが、より前向きに、より他者への思いをもって暮らしていくために必要な1冊です。
そして、第2弾がこちら!
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