職場の飲み会で話題になったんだけど
2020年度から学校で始まった「キャリア・パスポート」って
いったいどんなものなんだろう?
子どもたちに何かいいことあるのかな?
という疑問にお答えします。
この記事の内容
2020年度から始まった
・キャリア・パスポートをお父さん向けにさらっと説明すると
・キャリア・パスポートの子どもたちへのメリット
・キャリア・パスポートは実際にどんなもの?
・キャリア・パスポートは何に使うの?
2020年度から始まったばかりの取り組みではありますが、今までの経験を踏まえ、ご質問にお答えします。
私の詳しいプロフィールは、こちら
キャリア・パスポートは次のようなものです。
●小中高の9年間で、自分の成長を自己評価するためのポートフォリオ
●自分の将来のことを、真剣に考える大切なチャンス
それでは、詳しく説明していきましょう。
キャリア・パスポートをお父さん向けにさらっと説明すると
「キャリア・パスポート」の定義
「キャリア・パスポート」とは,児童生徒が,小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について,特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として,各教科等と往還し,自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら,自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことである。
文部科学省資料より抜粋
簡潔に説明すると
小中高の9年間で、自分の成長を自己評価するためのポートフォリオ
実施時期
2020年4月より、全ての小・中・高等学校において実施することになっています。
キャリア・パスポートがもたらす子どもたちへのメリット
キャリア・パポートがもたらす子どもたちへのメリットは次の3つです。
その① 子どもたちが、自分の生き方や進路を真剣に考えるようになる
その② 進学、就職、転職といった人生の節目でよりよい選択ができる
その③ 自分の考え方の変化を感じ、自己理解が深まる
それぞれについて、詳しく説明します。
その① 子どもたちが、自分の生き方や進路を真剣に考えるようになる
次のアンケート結果をご覧ください。
これは、文部科学省が実施したアンケート結果です。
各学校のキャリア教育において、「アンケートやポートフォリオ等」の実施を計画に盛り込んでいる学校のほうが、「児童・生徒は自己の生き方や進路を真剣に考えている」という結果がでています。
例えば、グラフの一番下の小学校をみてみます。
「アンケート・ポートフォリオ有」の学校の方が、そうでない学校より、倍以上も「真剣に考えている」という結果が出ています。
ポートフォリオなどを活用することで、子どもたちは自分の生き方や進路について考える機会を、定期的に得ることができるからだと考えられます。
その② 進学、就職、転職、といった人生の節目でよりよい選択ができる
このキャリア・パスポートは、小・中・高と9年間継続して実施されます。
この長い期間、自分自身を見つめ、自己評価し続けることで、自分を客観的に見つめる力を身につけるとともに、自分自身についてのデータを持つことにつながります。
そうした力やデータが、進学、就職、転職といった人生の大切な節目において、大きく役立っていくものと考えられます。
その③ 自分の考え方の変化を感じ、自己理解が深まる
キャリア・パスポートを活用していくなかで、子どもたちは自己評価を繰り返していくことになります。
自己評価が定期的に繰り返されていくことで、子どもたちは自分自身の考え方の変化を感じることができます。
その結果、自分自身というものをより深く理解することにつながっていくのです。
キャリア・パスポートは実際にどんなもの?
キャリア・パスポートは実際にどんなもので、どのように扱われるのかお伝えします。
実際のイメージ
文部科学省では、キャリア・パスポートの例示資料を用意しています。
下のイメージは小学校高学年用のものです。
この資料は、あくまでも例として示されたもので、文部科学省としては、各地域・各学校で柔軟にカスタマイズして実施することとしています。
保管について
このキャリア・パスポートは、個人情報も含むため、原則として学校が管理することになっています。
具体的な保管方法については、地域や学校ごとに違ってきます。
私のいた学校では、まず用紙を保管するためのファイルを児童数用意して、それを学校の耐火書庫に保管することにしました。
担任はキャリア・パスポートを使用するときに、その書庫から持ち出し、また戻すという感じです。
引き継ぎについて
学年が上がるときは、教師間で引き継ぎをします。
進学するときには、原則として子どもたちを通じておこないます。
ただし、小学校と中学校との引き継ぎに関しては、指導要録の写しなどと同封するなど、学校間で引き継ぐことも考えらるとのことです。
高校の「eポートフォリオ」ってあるけど同じもの?
キャリア・パスポートとeポートフォリオは、同じものではありません。
文部科学省では「キャリア・パスポート」に関する Q&A において、次のように示しています。
問8 高校生の資格・検定や課外活動の実績等、学校内外における活動の成果(「学びのデータ」)を記録することができる JAPAN e-Portfolio と「キャリア・パスポート」との違いは何でしょうか。
文部科学省:「キャリア・パスポート」に関するQ&A
(答)1. 大学入学前に蓄積された 「学びのデータ 」を大学入学者選抜の際に提出できる 「JAPAN e-Portfolio」と、学習活動として活用する教材「キャリア・パスポート」では、そもそもの趣旨・目的が 異なるものです。
※「JAPAN e-Portfolio」は、各大学の入学者選抜において、「学力の3要素」を多面的・総合的に評 価するために活用すること、及び高等学校教育、大学教育の質の確保・向上に向けた取組みに活 用することが目的です。一方、「キャリア・パスポート」は、学習指導要領特別活動編に示された学習 活動として活用する教材であり、自己評価や相互評価の記録です。したがって、「キャリア・パスポー ト」をそのまま大学入学者選抜の提出資料にすることは適切ではありません。ただし、児童生徒が 「キャリア・パスポート」を振り返えるなどして、大学入学者選抜の面接や自己 PR 文作成に臨むこと は考えられます。
eポートフォリオ とは?
eポートフォリオ は高校での活動の記録をデジタル化して記録しておくシステム。
勉強の成果だけでなく、文化祭などの学校行事や課外活動の様子なども記録しています。
このポートフォリオは、教師が生徒を評価する際にも使いますが、生徒自身が自分の学習を振り返るときにも効果があるとされています。
この eポートフォリオ には、授業のノートやプリント、教師からのコメント、学校行事や部活動の様子、また、自分自身で取得した資格や検定なども記録することができます。
eポートフォリオには、いくつか種類があるのですが、その中の1つ JAPAN e-Portofolio について説明します。
JAPAN e-Portfolio とは?
JAPAN e-Portforioは、文部科学省より運営を許可された一般社団法人教育上管理機構が提供するサービスです。
JAPAN e-Portforio のサービス内容は次のとおりです。
● 高校生が自分の活動成果や学びを記録できる。
● 活動成果や学びを振り返り、今後の学びにつなげられる。
● 蓄積した「学びのデータ」を大学へ提出し、入試で利用できる。
じゃあどうする ? まとめ
職場の飲み会で話題になったんだけど、2020年度から学校で始まった「キャリア・パスポート」っていったいどんなものなの? 子どもたちに何かいいことあるの?
という疑問をいただき、回答をまとめてみました。
これからの時代、働き方は今まで以上のスピードで変化していきます。
高校を卒業するとき、大学を卒業するとき、その時になって、自分の働きかたや生き方を考えるのでは遅すぎます。
そこで、こうしたポートフォリオづくりが大切になります。
自分の成長、特技、好きなこと記録しながら、自分自身を見つめるとてもいい機会になることでしょう。
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