この間、雑誌でミラーニューロンのことを目にしたんだけど、子育てと関係あるのかしら?
じゃあどうする?
この記事でわかること
ミラーニューロンの働きを知ることで、より楽な子育てができます。
ミラーニューロンは私たちが生きていく上でとても大切な脳の細胞の1つです。その働きを知ることで、子育ても楽になるかもしれません。学校現場で私自身が学び、経験してきたことを交えながらお話したいと思います。私の詳しいプロフィールはこちらから。
ミラーニューロンとは
まずはちょっと難しい言葉でミラーニューロンのことを説明しますね。
ミラー・ニューロンとは、Rizzolattiらの研究においてサルの腹側運動前野および下頭頂小葉で見つかった、自分が行為を実行するときにも他者が同様の行為をするのを観察するときにも活動するニューロンである。単に行為の視覚特性に反応しているのではなく、行為の意図まで処理していることが示唆されており、他者の行為の意味の理解・意図の理解などとの関与が提案されている。ヒトの相同領域でも、ミラー・ニューロンと解釈できる活動が示されている。
脳科学辞典
わかりやすい言葉で説明すると
鏡に写したかのように、見たものと同じように反応する脳の神経細胞のこと
例えば
テレビでボクシングの試合いを観ているときに、あたかも自分が戦っているかのように脳が反応してしまうのもミラーニューロンの働きといわれています。
すごいのは
ミラーニューロンは見ている相手の動きををまねするためだけではなく、その動きの意味を理解しようと働くところです。相手の動きを見てこれから何をしようとしているのかと、読み取ろうとするときに活発に働くのです。行動の背後にある意思に反応するということなのです。
ミラーニューロンと子育て
「学ぶはまねぶ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。子どもはまねをしながらたくさんのことを学んでいきますよね。まねをするときに大活躍するのがミラーニューロン。
だからこそ、子育てではミラーニューロンのことをちょっとだけでも意識すると、スムーズに子どもたちの学びになるのですね。
それでは、成長期に合わせて、子育てでの活かし方についてお話します。
赤ちゃんから幼児期
大切なことは
まねしてほしいことを繰り返して見せる
例えば
●顔の表情を豊かにする
●たくさん語りかける
●体を楽しそうに動かす
なぜ、このようなことがいいのかというと、ミラーニューロンは幼児期に大きく発達します。相手の動きを見て、まねることを覚え、相手の反応を見ながら自分のことを認識するというのです。
例えば、赤ちゃんが偶然に笑ったとき、それを見たママが笑うとそのママの笑顔が赤ちゃんにとっては、鏡のような存在になって、笑うこととそのときの気分を学んでいくということなのです。
だからこそ、笑顔いっぱいの赤ちゃんんになってほしかったら、ママやパパがたくさん笑顔を見せてあげることが大切なのですね。
幼児期
大切なことは
家事をするママをみて一緒にやりたがったら、大変でもやらせてあげる
なぜかというと、小さい子どもはママのしていることをまねしたがります。洗濯ものを干したり、掃除機をかけたり、食事のしたくをしたり。
ただ、危ない作業もあったり、かえって時間がかかったりするので、やらせなかったりしますよね。
でも、チャンスなのです。興味をもったときに、できることを少しずつでも一緒にやることは、子育ての大切なチャンスなのです。
低い洗濯物かけを用意してそこにタオルなどを干させたり、モップを短くして持たせてあげたり、下手くそでも時間がかかってもチャンスだと思ってやらせてあげましょう。
この時期に大変だからと、テレビの前に座らせておくと、成長してからも手伝いには興味を示さなくなってしまいます。
だからこそ、子どもが家事をやりたがったら、それは大きなチャンス。工夫してちょっとでも一緒に体験させてあげると、お手伝い上手な子どもに育つ可能性が高まりますね。
小学生・中学生〜
大切なことは
子どもは親の背中を見て育つ
例えば
●勉強してほしければ勉強している姿を見せましょう
●優しい子どもになってほしかったら、優しく接してあげましょう
●メンタルの強い子どもになってほしかったら、一緒にメンタルを鍛えましょう
なぜかというと、勉強しなさいと言葉で言われる前に、子どもたちのミラーニューロンは親の行動を見て感じています。
そのミラーニューロンの働きに訴えることで、子どもたちは自然にその行動に向かう可能性が高まります。言葉で言い聞かせるより、行動で示す方がより効き目があるのです。
だからこそ、子どもにしてほしいことを自ら進んでやって見せる。子どもにしてほしくないことは、パパやママも決してしないことが大切なのですね。
【コラム:ひろ室長より】
小学校で担任をしていた頃の話です。ある日、個人面談であるお母さんとお話させていただきました。するとどうでしょう、お子さんと話し方の癖がまったく同じなのです。いくら親子でもここまで似るのかとびっくりするほどでした。これが全てミラーニューロンの働きというわけではないのですが、一番近くで一番多く接しているからこそお母さんそっくりの口調になったのでしょうね。きっと行動のパターンなども一緒なのかななんて思ってしまいました。もちろんそれ以降、授業中の自分の言葉遣いにもより気をつけるようになりました。
じゃあどうする? まとめ
子育てママからの質問
この間、雑誌でミラーニューロンのことを目にしたんだけど、子育てと関係あるのかしら?
というご質問をいただき
じゃあどうする?
というわけで、学校現場での経験や調べたことをもとにまとめてみました。
この記事でお伝えしたかったこと
ミラーニューロンの働きを知ることで、より楽な子育てができます。
(今回、参考にした文献等)
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