勉強に向かうときの子どもの集中力って気になりませんか?
特に受験を控えている場合などは、時間も限られているのでなおさらだと思います。
そんなときにすばらしい効果を発揮してくれるのが、ポモドーロテクニック。
もうすでに仕事で使っているパパやママもいることと思います。
実は、私自身もポモドーロテクニックを使いながら、限られた時間を有効に使って、この記事を書いています。
この記事では、子どもでもすぐに始められるように、子ども向けに簡略化した手順を紹介しています。
きっと、勉強に向かう集中力がアップして、モチベーションの向上にもつながることでしょう。
ポモドーロテクニックとは?
ポモドーロテクニックとは、イタリアの起業家で作家のフランチェスコ・シリロ氏が発案したもので、「25分の作業+5分の休憩」を4回繰り返すたびに30分の休憩を取るというものです。
この「25分の作業+5分の休憩」というところが一番よく知られてい部分だと思います。
実際には、5段階の基本的なプロセスというものがあるのですが、手順のところで触れたいと思います。
このように「25分+5分」という部分がシンプルだということと、25分という短めの作業時間が、子どもの時間管理にはとても向いているため、子どもたちの勉強方法としても効果があると考えます。
小学校の授業は45分間じゃないのか?と思われる方もいるかと思いますが、小学校の授業では、45分間をいくつかの活動で構成しているため、実際には20分程度の活動を繰り返しているのです。
ポモドーロテクニックのメリット
子どもの勉強に、ポモドーロテクニックを活用したときのメリットを挙げると次のようになります。
1 集中力の向上
2 計画力の向上
3 無駄な時間の削減
4 達成感を実感
5 成績のアップ
25分間という時間ならば小学校高学年の子どもでも十分に集中できる時間です。
慣れてくるとあっという間に過ぎてしまう時間ですが、その時間を寄り道をせずに乗り切るためのコツも含んでいるので、効率よく時間を使いこなす力も身に付きます。
自分で設定した目標を達成したときの喜びを味わいながら、集中して学習に取り組むことができるのですから、学力的にもメンタル的にも成長していくことは間違いないですね。
ポモドーロテクニックの方法(手順)
ポモドーロテクニックの発案者である、フランチェスコ・シリロ氏の著書『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る』の中では、基本のプロセスを5段階に分けて次のように記述しています。
1 計画
2 追跡
3 記録
4 処理
5 視覚化
ただ、これは大人がビジネスの中でこのテクニックを使っていく場合のプロセスなので、この記事では、子どもが日々の勉強に使うことを想定して、簡略化したかたちでご紹介したいと思います。
大人向けの本格的な方法については『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る』(アマゾン)をご覧いただきたいと思います。
子ども向けに簡略化した手順は次のようになります。
1 計画 計画シートに予定を記入
2 実施 25分勉強+5分休憩
1、2を細かく分けて、注意点を交えながら詳しくご説明します。
① 計画シートに予定を記入
▶︎下のイメージのように「計画シート」にその日にやりたい勉強をリストアップします。そして、「25分+5分」を1ポモドーロとしたときに、何ポモドーロで行うのか?予定数を書いておきます。
② 25分間の勉強
▶︎25分間の勉強開始
キッチンタイマーなどを使って25分間の勉強を開始します。おすすめのタイマーやスマホのアプリは後ほどご紹介します。
▶︎25分間の勉強終了
25分間の勉強が終了したら、計画シートのチェック欄に○印を1つ記入しましょう。急な用事などで、10分程度しかできなかったときには、×印を記入します。
<勉強中の注意点>
●集中の中断を避ける
他のことが気になってしまったときは、下のイメージのように、計画シートの下の空いているところに、メモをしておきます。例えば、勉強中に「明日の図工の材料」のことを思い出したら、そのことをメモしておき、勉強が終わったところで対応します。
●25分を使い切る
計画していた勉強が10分程度で終わってしまったときは、そこでやめずにもう一度繰り返したり、次の問題に取り組むなど、25分間は勉強を続けることを意識することが大切です。
③ 5分間の休憩
▶︎5分間の休憩タイム
大人の場合、瞑想をしたりすることもあるのですが、子どもの場合は、お茶を飲んだりソファーでちょっとくつろぐといいでしょう。
テレビを見たり、YouTubeを見たりすると、気持ちが勉強から離れ過ぎてしまうので、あまりおすすめしません。5分で切り上げるのも難しくなってしまいますよね。
④ ②③の繰り返し(4回)
▶︎25分+5分の繰り返し
大人がポモドーロテクニックで仕事をするときには、4回繰り返した後に30分程度の休憩をとります。
ただ、4回実施すると、2時間になるので、子どもの年齢や、全体の勉強時間に合わせて調整することも大切です。場合によっては、2回繰り返したあとに、長めの休憩を入れて、また2回という感じで。
⑤ 30分間の休憩
▶︎30分の長い休憩
30分の休憩では、気分転換に散歩などもおすすめ。飼い犬の散歩などもいいですね。
私はちょっと軽い運動をしたり、ゆっくりコーヒーをいれてくつろいだりしています。
⑥ ②③の繰り返し(4回)
▶︎繰り返し
長い休憩の後はまた、「25分+5分」を繰り返します。
以上がポモドーロテクニックを使って勉強するときの手順になります。
子ども用にかなり簡略化しているのですが、まずはこのくらいから始めて、十分にできるようになってきたところで、本格的な方法にステップアップしていくことをおすすめします。
ステップアップの際はぜひ、発案者の著書を参考にしてみることをおすすめします。
『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門』(アマゾン)
ポモドーロテクニックのデメリット(注意点)
ポモドーロテクニックには特にデメリットというものはないのですが、注意点をいくつかまとめておきます。
▶︎気分が乗っているのに25分で中断?
▶︎25分程度の勉強じゃないとダメなの?
▶︎計画シートは必ず必要なの?
気分が乗っているのに25分で中断?
せっかく気分が乗ってきたのに、25分で休憩を挟むのはもったいない!と感じてしまうことがあると思います。
でも、そこは、思い切って休むのがコツなのです。
実際にやってみるとわかるのですが、5分間の休憩を挟んでも、集中力は意外と維持されるので大丈夫です。
25分におさまる勉強じゃないとダメなの?
簡単な計算問題なら、25分以内で終わるような課題はたくさんありますよね。
でも長文読解など、1問を解くのに時間がかかる場合もあるかと思います。
そんなときには、パパやママがちょっとアドバイスをしてあげて、あらかじめ、問題に合わせて時間を長めに設定するなど、工夫をしてあげるといいですね。
計画シートは必ず必要なの?
今日やることの見通しを持つことと、達成感を見える化するためにも、計画シートを使うことはとても効果があるのです。
ぜひ、活用してみてくださいね。
計画シートのサンプルはこちらからどうぞ(PDF)
ちなみに、大人用のポモドーロテクニックでは「今日やること」「仕事の在庫」「記録」という3つのシートを用意して取り組みます。
ポモドーロテクニックを実際に使って感じるメリット(感想)
私自身は、このポモドーロテクニックを使いながら、この記事を書いています。
実際に感じているメリットを感想を交えながら簡潔にお伝えします。
▶︎集中力がつく
▶︎時間管理能力がつく
▶︎仕事の中断が激減
集中力がつく
1年以上、このポモドーロテクニックを日々の作業に活用しているのですが、集中力については、以前より格段にアップし、そのまま維持しています。
その理由としては、計画シートにチェックマークをつけることで、「今日はこんなに集中したな」という達成感があることが大きなポイントだと思います。
この達成感が次の作業へのモチベーションになり、結果的に集中力が高まっているというのが実感です。
「できた」という達成感は子どもたちにとっても、集中力への大きなモチベーションになると思います。
時間管理能力が身につく
何も計画を立てずに、ただ作業に取り組んでいたときに比べ、時間の管理能力がアップしたなという実感があります。
その理由としては、その日に使える時間を考え、やるべきことの優先順位をつけながら、計画を立てるようになったからだと考えられます。
その日に使える時間、やるべき内容、実際の作業の様子などをしっかりと意識することは、時間に対する意識をすごく高めてくれるのですね。
子どもたちの時間に対する意識も大きく変わっていくことが期待できます。
仕事の中断が激減
ポモドーロテクニックの大きな特徴の一つとして、「中断」への意識があります。
書籍のなかでは
「内的中断」:仕事中にネットサーフィンに脱線してしまう
「外的中断」:仕事中に上司に呼び出されて、仕事の依頼を受ける
などといった「中断」に対して、どのように対応するかということを大切に扱っています。
実はその「中断」を減らすことが、集中力の向上や作業効率の向上につながるのです。
今回、紹介した手順の中では、勉強中に意識に浮かんだことなどは「記録シート」に記入して、また勉強に戻るとしています。
こうした、テクニックを使うことで、格段に「中断」が減り、集中力の向上や作業効率の向上につながるのです。
ポモドーロテクニックのタイマー
ポモドーロテクニックの必需品はタイマーです。
3つほどご紹介します。
トマト型のキッチンタイマー
発案者のフランチェスコ・シリロ氏は、トマト型のキッチンタイマーで時間管理をしたことから、ポモドーロ(トマト)テクニックと呼ばれるようになったほど。
そこで、登場するのが定番のトマト型キッチンタイマー。
アマゾンや楽天でも簡単に手に入るので、ご紹介しますね。
子どもの学習専用タイマー
子ども用のタイマーとしてこのような商品もあります。
押しボタンがゲーム機のような雰囲気もあり、子どもが楽しみながら使えるところがポイントですね。
100均のキッチンタイマー
また、形にこだわらないのであれば、100均のキッチンタイマーでも十分です。
私の場合は、この写真のように2つ並べて、25分と5分用に使っています。
裏側を簡単な金具でつないで、スタンドのような形にして使っています。
ポモドーロテクニックのアプリ
ポモドーロテクニック用のスマホアプリをご紹介します。
Be Focused(iPhone)
私もMacで一時期使っていました。とてもポピュラーなアプリです。
Pomodoro Timer Lite(Android)
表示は英語なのですが、とれもシンプルな作りなので、直感で操作できます。
はじめだけ、パパやママが教えてあげれば子どもでもすぐに使えるので安心。
私も外出先ではこのタイマーを使っています。
他にもたくさんあるのですが、今回はシンプルでメジャーなものをご紹介しました。
ただ、子どもが使うので、つい他のアプリを触ってしまったりということもあるので、できればキッチンタイマーの方がお勧めです。
ポモドーロテクニックの書籍紹介
2冊の書籍をご紹介します。どちらも読んでみたのですが、まずは、発案者本人の書籍がおすすめです。
『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る』
記事の前半でもちょっとだけご紹介しましたが、ポモドーロテクニックの発案者フランチェスコ・シリロ氏による入門書です。
私自身もこの本を読みながら実践してきました。
パパやママがこの本を読んでみて、なるほど!と実感した上で、子どもに実践させることで確実に効果アップが期待できるので、とてもお勧めです。
『自分を操る超集中力』
こちらは、DaiGo氏の著書『自分を操る超集中力』です。DaiGo氏本人も「25分+5分」は人間の体になじみやすいということで、普段、ポモドーロテクニックを執筆や読書などに活用しているとのこと。
いろいろな集中力のテクニックを学びたいときにはこちらがお勧めです。
じゃあどうする?まとめ
勉強に集中できずに悩んでいるお子さんの姿を見るのは辛いものです。
ぜひ、このポモドーロテクニックに一度、取り組んでみてはいかがですか。
始めはあまり細かいことにとらわれず、25分間集中できたことをたくさんほめてあげましょうね。
参考
発案者フランチェスコ・シリロ氏のホームページ
本物のワークシートを購入することができます。
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