【お父さん向け】「スタディ・ログ」とは?簡単に説明します

study_log パソコン室(プログラミング関係)
father

息子の通っている学校の説明会で、スタディログ がどうのこうのっていう話があったんだけど、それってどんなものなのかな? 子どもたちに何かいいことあるのかな?

という疑問にお答えします。

この記事の内容
  • スタディ・ログとは
  • 子どもたちにこんなメリットが!
  • 学校はこう変わる
  • スタディ・ログの課題
室長
室長

今回は、スタディ・ログについてお答えします。
学校現場への導入は、まだまだこれからという感じですが、私自身が学校現場や行政で経験したことを踏まえてお話します。
今回は、失敗談もあります。
わたしのプロフィールは、こちらから

まずは、結論から

スタディ・ログ とは
「デジタル化された学習履歴」

スタディ・ログのメリット
その① 振り返りがしやすくなる
その② 最適な学習環境が手に入る
その③ 学習計画を立てられる

それでは、さっそく本題に入ります。

スタディ・ログとは

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●一言でいうと
「学習履歴」

●二言でいうと
「デジタル化された学習履歴」

●もう少し詳しく説明すると
「医療で用いるカルテのように、子どもたち一人ひとりが学習した履歴をデジタルデータで蓄積していくもの」

●さらに詳しく説明すると
<学習履歴に含まれるもの>
・デジタルドリルに取り組んだ履歴や正答率などの情報
・定期テストの結果・子どもたちがデジタルノートに書き込んだ内容
・他の子どものデジタルノートをみて評価した内容
・定期的に子どもたちに実施したアンケートの結果

<デジタル化されたデータの保存場所>
国では、データはをクラウド上保管することを進めていますが、現時点では自治体ごとにサーバーを用意してデータを保管しているケースが多いと思われます。

<データを管理するシステム>
データの管理は、様々な業者が作成している専用の管理システムを利用することになります。
そのシステムは、業者が販売している既成のものをそのまま使用することもありますが、各自治体の運用に合わせてカスタマイズして使用することもあります。

室長

<私の失敗談>
私が行政に勤務していたときに、校務支援システムを導入したのですが、その際使いやすいようにと、費用をかけて様々なカスタマイズを施しました。しかし、そのカスタマイズが禍して、プログラムのエラーが発生して大変な思いをすることに! 
また、カスタマイズをしていない標準版は、定期的な更新の際に使い勝手が良くなっていくのですが、カスタマイズしたものには適用されず、最初の機能のまま使い続けるということになってしまいました。その失敗を活かし、今では標準版を使用しています。

なんでもデジタルデータにしていくのもいいけど、子どもたちにメリットはあるのかな?と思ってしまいますよね。

そこで、次に子どもたちにとってのメリットについてまとめてみました。

子どもたちに こんなメリットが!

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それでは、この「スタディ・ログ」は、子どもたちにとってどんなメリットがあるのでしょう?

その① 振り返りがしやすくなる
その② 最適な学習環境が手に入る
その③ 個々の学習計画を立てられる

少し詳しく解説します。

その① 振り返りがしやすくなる

学習の履歴をデジタル化し、さらに分析し、何が得意なのか、何が不得意なのか、自分自身で確認することができます

データは、グラフなども交え、子どもたちにもわかりやすいように表現されます。

その② 最適な学習環境が手に入る

様々な作業や手続きがデジタル化されると

デジタル採点
→ 結果の蓄積
→ AIによる結果の分析
→ 個々に応じた教材の提供


という流れができ、個々の学習状況や能力・適正に応じた授業が行われるようになります。

そして、今までのような一斉型の授業と個別に最適化された授業が組み合わされて、すべての子どもたちにとって、学習しやすい環境が整うことになります。

その③ 個々の学習計画を立てられる

一人ひとりの子どもの様々なデータを蓄積して、AI で分析するので、子どもの状況をしっかりと踏まえた上で、その子に合った学習計画を立てるようになります。

「スタディ・ログ」が子どもたちにとってメリットのあるものだということは、わかっていただけたと思います。

次は、「スタディ・ログ」によって、学校がどのように変わっていくのか、まとめてみました。

学校はこう変わる

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「スタディ・ログ」が導入され、データが蓄積されてくると学校は次のように変わっていきます。

その① 授業形態の変化
その② 授業の改善
その③ 学校経営の改善

その① 授業形態の変化

子どもたち一人ひとりの多様なデータを分析できるため、従来からの一斉型の授業に加え、分析データに基づき、個別に最適化された授業とを組み合わせて実施することができるようになります。

先のことにはなりますが、この変化が進むと、教科や学年の概念を超えた多様な学びにつながっていく可能性があります。

その② 授業の改善

具体的なデータを基に、指導上の改善すべきポイントが明確になるので、教師自身が自分の授業を客観的に見つめ、授業の改善に活かすことができます

その③ 学校経営の改善

今までは、外部の学校評価委員からの助言や、子どもたち、保護者へのアンケートをもとに学校の課題を把握し、それを学校経営の改善に活かしてきました。

今後もそうしたデータは大切にしながらも、スタディ・ログやその他の生活面でのデータ(出席情報、児童生徒指導情報、保健室利用状況など)も一元的に集約し分析することで、学校経営の改善に活かせるようになります。

「スタディ・ログ」は子どもたちにとってメリットがあり、学校を変えていく力もあります。でも、もちろん課題もあります。
次は、その課題について、現在、少し先、その先の未来と時間を追ってみていきたいと思います。

スタディ・ログ の課題

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「スタディ・ログ」にはメリットも多いのですが、当然、課題もあります。

その中でも、まず解決しなくてはならないのが次の課題。

その① 個人情報の安全性の確保
その② 収集するデータの質の確保

その① 個人情報の安全性の確保

扱うデータは、全て子どもたちの個人情報となります。

したがって、そのデータをいかに安全に扱うのかという点は1つの大きな課題です。

データの保管の安全性を高めれば高めるほど、システムは複雑になり、使いづらいものになってしまいます。

また、コストの面でも大きな負担になってしまいます。

安全で使いやすく、コストも抑えるという課題は、どこまでいってもつきまとうものです。

その② 収集するデータの質の確保

データは多いほど、正確に子どもの様子を把握できます。

しかし、そのデータ自体の質が悪ければ、分析結果の信頼性にも影響してしまいます。

どんな場面で、どのようなデータを収集するべきなのか、システムの導入前にしっかりと検討しておく必要があります。

★コラム★
文部科学省では、学習指導要領のコード化でデータの活用促進を図る方針を提示しました。(2020年7月7日)
これは、スタディ・ログとして記録される子どもたちの学習内容を学習指導要領とリンクさせるための取り組みです。
このことによって、使用する教材などに関わらず、共通のコードでデータを活用することができるようになります。
このコードは数字の羅列になり、下の表のようなルールで決められるようです。

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【コード付与のイメージ】学習指導要領のコード化(案)について(文部科学省)

すこし先の課題

スタディ・ログのデータが、学校もしくは教育委員会の範囲にあるうちは、ある程度安心していられると思います。

ただ、その範囲が広がり、塾や予備校などとそのデータを共有することになると、メリットもありますが、データの管理の面で心配なこともでてきますね。

未来の課題

スタディ・ログの導入が進み、データの共有が進んでいくと、学校に関するデータにはとどまらず、マイナンバーとの連携だとか、さらには、人生そのもののデータログなんていうことにもつながっていく可能性がありますね。

それがいいことなのかどうかは別として、あらゆるものがデジタルデータ化されていくことだけは間違いないことです。

私たちは、日頃からそうした動きに、ある程度関心をもって、見守っていかなくてはいけませんね。

じゃどうする? まとめ

息子の通っている学校の説明会で、スタディ・ログがどうのこうのっていう話があったんだけど、それってどんなものなのかな? 子どもたちに何かいいことあるのかな?

室長
室長

という疑問についてお答えしました。

結論

スタディ・ログは
「デジタル化された学習履歴」

メリット

その① 振り返りがしやすくなる
その② 最適な学習環境が手に入る
その③ 個々に学習計画を立てられる

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