最近、自分の子どもの様子をみていて心配になるんです。
もしかしたら発達障害じゃないかって
日頃の子どもの様子を一番よく知っているのはお母さんですからね。
そのちょっとした様子から心配なこともたくさんあると思います。
もし、発達障害のことを心配しているのなら、まずはこの本がおすすめです。
私も担任をしていた頃にこの本と出会いたかったなとつくづく思います。
この本は、発達障害と言われる
・ASD(自閉症スペクトラム障害)
・ADHD(注意欠陥多動性障害)
・LD(学習障害)
これらの3つの障害について、その発現のしかた、チェック方法、支援や治療の方法、そして進路や将来のことまで、わかりやすく解説されていて、幼児期から思春期までの発達障害の基礎知識がよくわかる本です。
まさにタイトルの通りといった感じです。
私がいいなと思ったのは、ほぼ見開きごとに「お母さんへのワンポイント」という小さなコラムがあるところです。
本文の内容とはまた別に、読んでいるお母さんに向けて語りかけるように書かれていて、内容もすぐに行動に移せるようなことばかり。
そのコラム一つひとつがとても貴重なアドバイスになっています。
それではさっそく本の内容を紹介していきたいと思います。
本の作者と目次
作者について
本の内容に入る前に著者の宮尾益知先生についてご紹介
宮尾 益知 (ミヤオ マストモ)東京生まれ。
徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックを開院。
目次について
第1章 気づいてあげたい「発達障害のサイン」
第2章 これだけは知っておきたい、発達障害
第3章 発達障害の診断を受けたら、どうすればいいの?
第4章 発達障害のある子どもを育てるヒント
第5章 どうする?進路と将来
第6章 知っておきたい公的支援と就労支援
第7章 二次障害と薬物治療
第8章 Q&Aで納得 こんなときどうする?
第1章 気づいてあげたい「発達障害のサイン」
3歳までの行動チェック
小学校入学までの行動チェック
授業中の行動チェック
思春期の行動チェック
女の子の行動チェック
というように、子どもの成長段階に応じた具体的なチェックポイントをイラスト付きでわかりやすく示してくれています。
例えば「 □ 抱っこしても目を合わせない 」といった感じのチェック項目が多数用意されています。
章末のコラムでは、「成長とともに特性が変わることもある!?」というタイトルで、特性は変わらないが性格は変わっていくという回答をわかりやすく説明してくれています。
第2章 これだけは知っておきたい、発達障害
私自身、「そうなんだ」と改めて知ったことは、発達障害はその特性に個人差はあっても、成長とともに進行することはないということです。
やはりきちんとした知識を身につけなくてはいけませんね。
この章では、発達障害がなぜ起きるのか、ということから発達障害の種類やそれぞれの障害の基本的な特性について、具体的な例をあげながらわかりやすく説明されています。
章末のコラムは「子どもの将来をどう考えるか」というタイトルで、発達障害を山登りにたとえ子どもを幸せにしてあげることを目標にすると、よい成長につながると教えてくれています。
第3章 発達障害の診断を受けたら、どうすればいいの?
発達障害と診断を受けたとき、どこに相談したらいいのか、診察を受けるときにはどんなことに注意したらいいのか、などとても具体的に書かれています。
また、診察の内容や診断の基準などについても細かく説明されているので、この診断基準をみるだけでもある程度は、自分のお子さんの状況を把握することができます。
そして、もし発達障害と診断されたときに実際にどのようなリアクションをとればいいのか、主な公的援助制度について示しながら家庭の負担軽減について説明されています。
章末のコラムは「『親の会』や支援グループとつながろう」というタイトルで、公的機関以外に発達障害のある子どもの親に対する支援団体について紹介しています。
その中で、支援団体とつながる際に注意したほうがいいことなども書かれているので参考になりますね。
第4章 発達障害のある子どもを育てるヒント
「叱ることよりほめて伸ばすことが基本」〜「子どもが理解できる、上手な叱り方10カ条」まで、9つの節で実際のほめ方や叱り方について説明しています。
この章は、普段の子どもとの生活の中ですぐに活かせるものばかりなので、いつでも手元に置いて実践していくといいなと感じました。
章末のコラムは「『お手伝い』は子どもの成長や発達を促す」というタイトルで、お手伝いが子どもの社会性やコミュニケーションを育てるうえで、効果的なきっかけになるというお話です。
これは発達障害の有無に関わらず大切なことだなと感じました。
第5章 どうする? 進路と将来
発達障害のお子さんを抱えるお母さんにとって、今、目の前のことにも不安で大変な日々が続いているとは思いますが、やはり将来のことを考えるともっと大きな不安に襲われてしまうのではないでしょうか。
そこで、 じゃあどうする? という問いにこの本はこたえてくれています。
進路を決めるタイミングや注意すること、また、高校を選ぶときの選択肢などから、将来の自立に向けて必要なスキルについて説明してくれています。
特別支援学校と聞くとちょっとハードルが高そうというか、それで将来が決まってしまうような漠然とした不安に包まれますが、この本を読むことで、特別支援学校の良さを知ることができます。
章末のコラムは「お母さんの支援は”ほどほど”でいい」というタイトルで、頑張っているお母さんたちもホッと肩の荷を降ろせるようなお話が書かれています。
第6章 知っておきたい公的支援と就労支援
「子どもたちの特性に合った仕事を選ぶには?」という第1節では、ASDやADHDに向いている仕事や向いていない仕事の具体例を示しながら解説してくれているので、イメージがわきやすいと思います。
また、特性がある人の就職には大きく分けて「一般枠」と「障害者枠」の2つあることや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく説明してくれています。
就労が決まった後の支援として、企業と障害者の両方をサポートする専門職を職場に派遣してもらうようなシステムについての説明もあります。
この専門職はジョブコーチと呼ばれているのですが、そういった支援者の存在を知るだけでも安心感につながりますね。
章末には解説として、「発達障害者支援法」と「障害者雇用促進方」について、この本の監修者であるどんぐり発達クリニックの宮尾益知先生による解説があります。
第7章 二次障害と薬物治療
発達障害の特性を抱えていると、発達障害の症状とは別の二次障害(合併症)を引き起こすことが多いことから、それを未然に防ぐための章となっています。
まず発達障害における二次障害とはどんなものなのか、そして、その二次障害を防ぐためにはどうしたらいいのか、その方法について説明されています。
実際に紹介されているのは、心理療法、薬物治療、そして、サプリメントです。発達障害の治療にサプリメントという話は新鮮な感じがしますね。
章末のコラムは「特性のある女の子と二次障害」というタイトルで、特性のある女の子が思春期にであるトラブルについて書かれています。
第8章 Q&Aで納得 こんなときどうする?
特性がある子どもの子育て中にお母さん方が抱く悩みや質問について、監修者の宮尾先生が答えています。
質問としては、学校に行きたがらない、友達ができない、異性への興味、お金の貸し借りなどです。これらの質問に丁寧な回答をしてくれています。
じゃあどする? まとめ
発達障害のお子さんを抱えるお母さん方の悩みはとても深いものです。
でも、正しい知識を身につけることで乗り越えられる悩みもあるものです。
この本は、そんな悩みを抱えるお母さん方には必要な本です!
発達障害のお子さんをしっかりと受け止めてくれる、プログラミング教室の紹介の記事です。ぜひ、ご覧ください。
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