このあいだ、子供と一緒に スクラッチ に挑戦してみたんだけど、なかなか うまくいかなくって
そうしたら、「学校で ビスケット をやったよ」って子供が言ってたんです。
それって どんなものなの?
スクラッチ とは違うのかしら?
Viscuit(ビスケット)も子供向けに開発されたプログラミングのための言語です。
Scratch(スクラッチ)と同じようにビジュアルプログラミング言語に分類されるのですが、使ってみると「あれっ、ちょっと雰囲気がちがうなぁ」という感じがします。
その違いをお伝えできたらを思います。
★scratch(スクラッチ)については、こちらの記事をご覧ください。
Viscuit(ビスケット)とは
Viscuit(ビスケット)は、NTTの研究所で開発されたビジュアルプログラミング言語です。
ビジュアルプログラミング言語とは、プログラムをテキスト(文字)で書くのではなく、ブロックやアイコンのような視覚的なオブジェクトを並べてプログラミングするプログラミング言語です。
NTTの研究所で開発ということは、そう国産なのです!開発者の原田はかせは、ブログの中で「国産かどうかなんて小さい話で・・・」とおっしゃってはいるのですが、日本人にとってはやはりうれしいことですよね。
さてさて、本題に戻りますが、Viscuit(ビスケット)は、プログラミングのための「言語」というより、楽しみながら自分なりに手順を考え、作品を創りあげることのできる仕組みという感じです。
ビスケットで遊んでいる子どもたち、特に小さな子供たちは、プログラミングをしているという意識はほとんど無いように思います。
それほど直感的にコンピュータに接することができる楽しい仕組みなのです。
それでは、その特徴についていくつか取り上げてみます。
インストール不要、そして無料
パソコンへのインストールは不要で、ウェブサイトにアクセスするだけで無料で使うことができます。
インターネットの環境がなくてもパソコンにアプリをインストールして使うこともできます。
また、スマホやタブレットアプリをインストールして使うこともできます。
直感的な操作
「直感的に」という言葉が本当にぴったりあてはまります。
文字は一切使わず、画面上のメガネに入れる絵の位置で、その絵の動き方をコンピュータに指示するという仕組みになっています。
日本で開発
先ほど書きましたが、ビスケットは、計算機科学者の原田康徳さんがNTTの研究所に勤務しているときに開発したもので、純国産のプログラミング言語なのです。
教育現場からの支持
現在、ビスケットの開発を進めている合同会社デジタルポケットは、「未来の学びコンソーシアム」の賛同企業として登録され、実際の実施事例のなかで教材ツールとしてビスケットが紹介されています。
こうした取り組みの中で、実際の小学校等での取り組み事例などが蓄積されることで、現場の先生方にとっても使いやすいプログラミング言語となってきています。
「未来の学びコンソーシアム」とは
文部科学省・総務省・経済産業省が連携して、教育・IT関連の企業・ベンチャーなどと共に立ち上げ、多様かつ現場のニーズに応じたデジタル教材の開発や学校における指導に向けたサポート体制の構築を推進していくもので、小学校プログラミング教育の充実に向けた方策の検討などを行なっています。
Viscuit(ビスケット)の使い方
それでは、簡単にViscuit(ビスケット)の使い方について説明します。
全体の流れ(パソコンのブラウザで操作する場合)
① のサイトにアクセス
② 動画をみる
③ 実際に作ってみる
個々について詳細
① ビスケットのサイトにアクセスしましょう。
そして、左上の<あそぶ> をクリック(赤い矢印のところです)
② 動画をみる
Aの <やってみる> をクリックしてすぐに始めてもいいのですが、Bの <あそび方動画> をまず見るのがおすすめです。
<あそび方動画> には、<1かんたん> <2ふつう> <3むずかしい> とあるので、まずは <1かんたん> からみてみましょう。
下の方にスクロールしていくとレベルごとに動画が用意されています。
最初に出てくる動画は <うみにおよがそう> です。
動画をみてなんとなくイメージがつかめたら、次は自分の番!実際に動画の通りに作ってみましょう!
③ 実際につくってみる。
前の画面に戻って <やってみる> をクリックしましょう。
海の中のような素敵な画面が出てきましたね。
ここから先は、先ほど見た説明の動画に沿って進めてみましょう。
きっと子どもたちは思い思いの絵を描き、楽しそうな海の中の世界をプログラミングで描きだすことでしょう。
ビスケットでできること
viscuit(ビスケット)はプログラミング言語ですが、プログラミングによって次のような作品を作ることができます。
● ゲーム
● アニメ
● 動く絵本
学習サイトなどをご紹介
Viscuit(ビスケット)関連のサイトをご紹介します。
● Viscuit ビスケット
ビスケットの使い方や、開発者である原田はかせのコラムや、問い合わせページなどがあります。
● ビスケットであそぼう
・ビスケットランドであそぼう!
・いろいろな動きを作ろう ぶつかる編いろいろな動きを作ろう かんたんゲーム編
・模様を作ろう
・音を鳴らそう
・落ちゲーを作ろう
「絵を描いて動かそう」から始まり「ボールくずしの得点計算」まで全部で22のテーマについて数本の動画でわかりやすく説明されているので、その動画をみながらあらたなプログラミングにチャレンジできます。
● 開発者 原田はかせ が教える Viscuit(ビスケット)の作り方動画
原田はかせ が「ひとに病気が広がっていくプログラム」について説明をしているのですが、新型コロナウイルスの感染拡大を経験している子どもたちには、とてもリアルに迫ってくるテーマで、興味深く取り組むことができると思います。
●ビスケット開発者 原田博士のブログ「ビスケットのあれこれ」
最近の投稿はないのですが、原田先生の言葉がたくさん詰まっていて、ビスケットに対する思いを感じることができます。
●「Flash廃止に向けてのビスケットの対応について」
アプリではなく、googlecromeなどのブラウザでビスケットを使うときには、現在 Adobe の FlashPlayer を使っているのですが、2020年の12月で使えなくなるということで、その対応についてまとめてあります。
● 書籍の紹介です。
この Viscuit を活用した授業で発達障がいを抱える子どもたちの症状が改善したという研究結果があります。
発達障がいを抱えた子供たちとプログラミングの相性についてまとめた記事の中で紹介しているので、よかったらこちらの記事もごらんください。
じゃあどうする? まとめ
スクラッチを試したあとにビスケットにチャレンジしてみたら、まったくちがう!
というのが正直な感想〜
そうですね、ビジュアルプログラミング言語という意味では、一括りにされてしまうのですが、さわってみるとその違いに驚きますよね。
Scratch(スクラッチ)は、ブロックを組み合わせていくという点では、子供にも馴染みやすいのですが、見た目はブロックでも、一つひとつは「命令」であって「言語」なんですよね。
でも、Viscuit(ビスケット)は、操作に言葉を挟まないというか、イメージのままで操作できるというのでしょうか、それをきっと「直感的」というのだと思います。
でも、直感的に作品を作り上げていく過程で子どもたちはしっかりと理論的な思考をしてるんですね。
だから、今、学校現場でもViscuit(ビスケット)をプログラミング教育のツールとして活用し始めているのだと思います。
先生方にもぜひこのツールを楽しんでもらい、そして学校現場で子供たちのために活用して欲しいと願っています。
おまけ
子供たちにプログラミングを習わせるときの選択肢として
・プログラミング教室
・プログラミングの本
・プログラミングロボット
・プログラミングの様々な教材
など数多くありますが、そのなかからおすすめのものをまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
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